ディズニー総チェック 評論

【映画記事】「三人の騎士」−現実とアニメの垣根を越えて−【ディズニー総チェック】

2020年10月13日

 

さて「ディズニー総チェック」を今日もやっていきましょう!

ということで、今回の作品は「三人の騎士」

前回取り上げた「ラテン・アメリカの旅」の続編ということですので、その辺りも踏まえて語っていきます。

 

 

この作品のポイント

  • 実写とアニメの融合の可能性を追求した作品、意欲作であることは間違いない。
  • ただし、「その国のいいところ」の本質が、それでいいのか!?
    と思わされる。

「三人の騎士」について

基本データ

基本データ

  • 公開 1945年
  • 監督 ノーム・ファーガソン
  • 脚本 ホーマー・ブライトマン他
  • 製作 ウォルト・ディズニー
  • 出演者 クラレンス・ナッシュ/ジョゼ・オリヴェイラ/ホアキン・ガラ ほか

あらすじ


人気者のドナルドダックが出演するのは、実写とディズニーのアニメーションが織りなす、ラテン・アメリカの風景や音楽で溢れた最高の冒険物語。

ある日ドナルドの元にラテン・アメリカの友だちから不思議な贈りものが届いた。

音楽にのせて、ブラジル生まれのオウムのホセ・キャリオカと雄鶏のパンチートに最高の旅へ導かれる。

ベテランのふたりのガイドにより、ドナルドは驚きと素晴らしい音楽に溢れているラテン・アメリカの地を巡る。

ディズニープラスより抜粋

物語の根幹は「南米いいとこ、いつでもおいで!」

前作と共有される主題

 

この作品は基本的に語られることは、前作と同じ。

「我々が、自慢されたいラテン・アメリカ」を描いていると言える。

 

ドナルドがプレゼントを開けると、そこから様々なキャラクターが登場して、彼に「南米」の良さを語る。
基本的にはその繰り返しだ。

 

編集長
基本的には以下のエピソードで構成されている

 

  • さむがりやのペンギン パブロ (The Cold-Blooded Penguin)
  • 空飛ぶロバ (The Flying Gauchito)
  • バイーア (Baia)
  • ラス・ポサーダス (Las Posadas)
  • メキシコ〜パツクアロ、ベラクルス、アカプルコ (Mexico: Pátzcuaro, Veracruz and Acapulco)
  • ユー・ビロング・トゥ・マイ・ハート (You Belong To My Heart)
  • ドナルドの白昼夢 (Donald's Surreal Reverie)

それぞれについて、言及をするつもりはないのだが、
この作品の中でも「さむがりやのペンギン パブロ」「空飛ぶロバ」は基本的になくてもいいのでは・・・?
と首を捻る構成にもなっている。

 

これらの作品に共通点を見出すのなら、基本的に登場するのは「鳥」関連のキャラクター(「空飛ぶロバ」が鳥かどうかは、考えたくない)が登場すること。
そして、繰り返しになるが「南米」の良さを語っているという点が挙げられる。

 

 

ポイント

✅基本的には前作と同じく「南米の良さ」を前面に押し出す作品と言える。

いいところって「女の子?」

 

ただ、この「いいところ」をフューチャーする面で、どうしても言いたいことがある。

それは、基本的に「女の子」
それも南米特有の「情熱的」な「女の子」と出会えること、それを良きこととして描きすぎ。という点は指摘されるべきだろう。

 

後述するがこの作品は「実写」と「アニメ」の融合を目指している。

基本的な作劇のお約束として、ドナルドが現地で女性と知り合う、そして女性に「モテたい欲」丸出しながらも、上手くいかない。
という流れになっている。

編集長
水着の女の子を追いかけ回したりね・・・。

このエピソードが繰り返されることもあり、我々は見ていて「南米のいいところって”女の子”」なのか?
と思わされてしまうという・・・。

 

この点は正直上手くないと思います。

前作はきちんと「文化」的な側面もしっかり見せてくれていただけに・・・。
残念すぎましたね。

編集長
もちろん「いいところの一つ」ではあるかもだけど、しつこいんだ!

 

 

ポイント

✅前作よりも、文化面での「楽しさ」「面白さ」を伝えられているとは言い難い。

もちろん、いいところもあります!

 

もちろん、いいところもあるんですよ!

例えば「さむがりのペンギン パブロ」「空飛ぶロバ」は、正直あまりにも他のエピソードと関係がない気もするけれど、面白い。
特に「ペンギンのパブロ」
このペンギンなのに「南国」への憧れを抱くキャラ造形は、アナと雪の女王」の「オラフ」を彷彿とさせられる。


編集長
もしかしたら「アナ雪」製作陣の頭の片隅には「パブロ」がいたのかもしれない

 

それに「バイーア」の情景を歌い上げるシーンの一連の流れ、そして「ラス・ポサーダス」というメキシコのクリスマスのエピソード。
特にこのエピソードはメキシコの「クリスマス文化」を紹介するものとして、非常に興味深かった。

 

ただし、この映画の最大の「面白いところ」は、実はさっき「うーん」と指摘したポイント重なるのだ。

それはどういうことか?
そこについて、これから見ていこうと思う。

 

 

ポイント

✅いいところも、もちろんある。

✅「最大の面白さ」と「うーんポイント」が実は同じ。

「アニメ」と「実写」の融合

初の試み

 

さて、この映画には、最大の「面白い」試みをしているポイントがある。
それは、先ほどボクが指摘した、「うーん」と首を捻ったところとも重なる。

 

それが「実写」と「アニメ」の融合という試みだ。

 

先ほど、「女性」との出会いだけが「いいところか?」
と疑問を呈したが、この作品は現地の女性とドナルドたちが、文字通り同じ画面内で交流をするのだ。

この試みは、確かに面白い。

例えば「バイーア」のパートでは、ドナルド、ホセたちがいる「アニメの世界」に「実在の人物」が入り込んできて、一緒にダンスを踊る。
それも動きもしっかり連動している。

この試みは「史上初」なのだ。

そしてメキシコのビーチのパートでは、逆に「現実世界」にドナルドたち「アニメキャラ」が入り込み、交流をする。

編集長
まぁ、内容は、ドナルドが「水着の女の子」をひたすら追いかけまわすというね・・・。

 

女性歌手の顔が月になったり、サボテンダンスと女性のシンクロなど、やはりその巧みさには「うまい」と舌を巻かずにはいられない。

 

これらは試みとしては面白い。
でも、個人的には、その「面白い試み」が全て「女性」との絡みに終始してしまっているのが、勿体ないとも思っているので、複雑な気持ちを抱いたいたりする。

だが、何にせよ、これらの試みが「非常におもしろい」というのは事実。
そして、この点をもって、「素晴らしい作品」だということもできるのではないだろうか?

 

 

ポイント

✅「アニメ世界」に「実在の人物」が登場する。

✅「現実の世界」に「アニメキャラ」が登場する。

✅2つの「試み」非常に面白い。

ディズニーランドの構想の元になったのでは?

 

この「アニメ」と「現実」の融合という試みは、後の「ウォルト・ディズニー」の人生に大きな影響を与えたのではないだろうか?

 

元々「アニメ」という「虚構」を作り上げていたウォルト。
それが今作で、「アニメ」と「現実」の人物・光景を融合させる試みに踏み込んだ。

そして、それが後に「現実」に「アニメの世界」を再現する。
つまり「ディズニーランド」の構想の元になったのではないだろうか?

 

そう考えると、この試みは非常に「意味のある」大きなものだったのかもしれない。

 

 

ポイント

✅こ言い過ぎかもしれないが、「『三人の騎士』無くして『ディズニーランド』なし」と言われるほどの「転換点」の作品だったのかもしれない。

 

今作を振り返って

ざっくり一言解説!!

面白いけど、なんかヤダ!!笑

結局いいところは「女性だよ」って、言いたいとしか思えない・・・。
それはどうなんだろうなぁ??

まとめ

 

そうそう、この作品は「実写」「アニメ」の融合がテーマだが、その締め括り方がうまい。

 

夜景に浮かぶ女性とキスしたドナルドは舞い上がり、そして「悪夢」的とも言える「白昼夢」を見る。
そして、その「白昼夢」はアニメでなければ再現できないほどに、独創的なのだ。

 

その夢、つまり「アニメならでは」の世界を体験して、ドナルドは「アニメ」の世界に戻ってくるのだ。
そしてラストは爆竹・花火を仕掛けられた「闘牛」とドナルドがぶつかり、幕をおろす。

 

きちんと「アニメ世界」から旅立ったキャラクターが、最後には「アニメ世界」にきちんと、「アニメならでは」の方法で戻ってくる。

この辺りは流石と言わざるを得ない。

 

総括になるが、非常に、「興味深い試み」の作品だと思う。
それは認める。

だが、その「試み」で描かれるのが「女性にモテたい」みたいな内容で留まっている。
これは勿体ない・・・。

 

ということで、正直なところ「試みの面白さ」は認めるけど、内容については「あまり好きじゃない」作品だったと言わざるを得ない。

そりゃ「総チェック」だから、「好きじゃない作品」も出てきますよ!!笑

 

 

まとめ

  • 興味深い作品ではある。
  • 内容自体は、あまり褒められない、という印象。
  • ウォルトのインスピレーションが、少しずつ「現実」の方に向いた、キッカケの作品なのかもしれない。

ということで、読了お疲れ様です。
また「総チェック」でお会いしましょう!!

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