
さて、今日も「ディズニー総チェック」をやっていきます!
ということで紹介するのは「ロビン・フッド」です!

この作品のポイント
- 恐らく「王様の剣」の反省を活かしている。
- キチンと「ディズニーらしい」作品になっている。
目次
「ロビン・フッド」について
基本データ
基本データ
- 公開 1973年
- 監督 ウォルフガング・ライザーマン
- 脚本 ラリー・クレモンズ/ケン・アンダーソン/フランク・トーマス ほか
- 声の出演 ブライアン・ベッドフォード ほか
あらすじ
はるか遠い地に昔から伝わる勇気と友情の伝説物語。
ディズニーが贈る「ロビンフッド」は、勇敢な冒険、個性的なキャラクター、一度聴いたら忘れられない音楽、そしてたくさんの笑いで溢れている。
勇敢なロビンフッドが信頼のおける仲間リトル・ジョンや忠実な手下たちと共におかしく大胆不敵な行動を繰り広げる。
その目的は、欲深いプリンス・ジョンの裏をかき、シャーウッドの森の住人たちに幸せをもたらすことだった。
ディズニープラスより引用
ディズニーが語る「ロビン・フッド」

有名な義賊「ロビン・フッド」をどうアレンジするのか?
「ロビン・フッド」は中世イングランドの伝説の人物だ。
そして、世界で最も有名な「義賊」の一人だ。

✅「義賊」とは?
「常に貧しき者と虐げられている者の味方であり、豊かな者から奪って貧者に分け与え、自衛と正当な場合(仇討など)以外は殺人を犯さず、腐敗しきった領主と聖職者を国王らに代わって正す」
このような、行動をするものを一般的に「義賊」と呼ぶ。
ちなみに・・・
日本では「石川五右衛門」が代表的な「義賊」に該当するといえる。

一度は断念した企画でもある!
この「中世イングランド」の伝説を映画化する!
という企画を聞いて、真っ先に思いつくのが「王様の剣」(アーサー王伝説)だ。
今作品は、この「王様の剣」という作品の、ハッキリとした反省点をしっかり改善している作品と言える。
それが、全キャラクターを「擬人化した動物」で描くということだ。
そして、それはそのまま「ディズニーらしさ」を担保するということにもなるのだ。
というのも、そもそも「ミッキー」「ドナルド」「グーフィ」などの人気キャラクターは「擬人化した動物だ」
つまりディズニーを象徴するキャラクターの多くは、「擬人化した動物」だと言える。
もっと噛み砕いて言うと「擬人化した動物」の活躍劇、そのものが「ディズニーらしさ」だとも言えるのだ。
ということで今作品は「ロビン・フッドの伝説」に登場するキャラクターを「擬人化した動物」に当てはめることで、「ディズニーらしさ」に溢れた作品となっているのだ。
例えば劇中でも繰り広げられるドタバタアクションにこそ「らしさ」が詰まっている。
「人間」なら度を超す「無茶」なことは出来ないが、象ならば壁をぶち破ってもキチンとギャグとして成立するし、その鼻をラッパとしても使うことが出来る。
この大胆かつ、笑えるドタバタ感で、世界的にも有名な「ロビン・フッド」の物語を語る。
この作劇こそ「ディズニーらしさ」
つまり、ディズニーが「ロビン・フッド」を語る意義なのだ。
当然面白い作品
この作品は「ディズニーらしさ」に溢れていると述べたが、当然のことながら、かなり面白い良作に仕上がっていると言える。
当然元々の「ロビン・フッド」の物語が、圧政を行い、民を苦しめる王・貴族をギャフンと言わせるという、万人の胸がすく内容となっている。
そのため、「普通にやれば、普通におもしろい」物語になるのは、ある意味で約束されている。
今作でもロビン・フッド(狐)と相棒のリトル・ジョン(熊)が、民衆を苦しめる「プリンス・ジョン(ライオン)」から金品を掠め取り、貧しい者に再配分。
そして、最終的に牢に繋がれることになる民衆を救い出し、最終的にはプリンス・ジョンを権力の座から追い出すことになる。
これは「ロビン・フッド」らしいストーリーとも言えるのだ。
そして、今作は当たり前だが、そんなロビン・フッドの活躍を中心に描かれている。
当然のことながら、悪代官から金品を巻き上げる際に、本来ならば起こるであろう「血なまぐさい」争い。
今作がディズニー作品ということもあり、当然そのような要素は描かれない。
さらに、この点は「良くも・悪くも」だが、ロビン・フッドは、「盗み」などを基本的にゲーム感覚で楽しんでおり、ノリが軽い。
そして「彼が何故、このような行動をするようになったか?」という理由は描かれない。
その分「アンチヒーロー」として、本来「ロビン・フッド」というキャラの持っているバックボーンなど、いわば「深み」を描かない。
そのため、今作は気軽に楽しめる味付けになっている。
ということで、正直なところ「普通におもしろい作品」で、そしてあまりに深く語るとこもない・・・。
なんと言えばいいか、感想・評論するのには向いてない作品とも言えるのだ。
なぜ、この構造の物語に「胸がすく」のか?
そもそも、今作品では住人に「重税」を課す王への反抗の物語だ。
本来「税」の役目とは何か?
それは「富の再配分だ」
例えば「富裕層」から「多く税」を取り、そして「貧困層」への行政サービスの拡充のための「予算」にする。
「税」の本来の役目は「貧富の差」を解消するためのものであり、そのために使われるべきなのだ。
だが、現代の日本でもそうだが、「税」を取る側が、それを使い、私腹を肥やす。
そういったニュースを、1年間いくつも耳にする。
どうせ、2021年も数度耳にすることだろう。
当然、今作でも「税」を回収する「王」や「権力者」が、それらを使い豪遊し、私腹を肥やしている。
逆に「重税」を取られ、貧困に苦しむ「うさぎ一家」などのひもじい生活が描かれるのだ。
悲しいかな「税」を取る側が、回収した「税」で私腹を肥やす。
その行為は、古今東西、今も昔も変わらないのだ。
なので悲しいことだが、そんな「お上」から金品を巻き上げて、それを貧しい者たちに分け与える「ロビン・フッド」の行為は、やはり「胸がすく」
つまり、いつの時代でも、我々が内心薄々抱いている不満を解消してくれる題材なのだ。
だからこそ将来、「ロビン・フッド」をはじめとする「義賊モノ」というジャンルが「理解されなくなる」
そんな時代が訪れるのが「理想」でもあるのだ。

今作を振り返って
ざっくり一言解説!!
題材を「ディズニーらしく」描けている!
「王様の剣」も「動物に置き換え」という方向でやればよかったのに・・・
まとめ
ということで、過去作の「王様の剣」での失敗から学んで作られたであろう、今作品。
擬人化した動物が、縦横無尽に画面狭しとドタバタを繰り広げる作劇は、非常に「ディズニーらしい」と感じた。
さらに「良くも・悪くも」
ロビン・フッドのバックボーンなどを描かず「軽いノリ」で描くことで、気軽に楽しめる味付けになっており、気軽に楽しめる作品に仕上がっている。
その点は「流石ディズニー」と言ったところ!
そして、いつの時代でも、このような「義賊モノ」で「胸がすく」というのは、悲しいかな、今なお「税で私腹を肥やす」存在が後をたたないとも言える。
そのため、「義賊モノ」はいつの時代も支持されて、我々の内心の不満を解消してくれるのだ。
願わくば、いつの日か「義賊モノって古いよねー」と半笑いされる時が来れば良いのかも知れない。
それは、きっと生きているうちには叶いそうもない願いなのだが・・・。
まとめ
- 有名な「ロビン・フッド」を「ディズニーらしい」味付けに仕上げている。
- 過去作の反省をしっかり活かしている、その姿勢が素晴らしい!!
ということで、読了ありがとうございました!
また次回の記事でお会いしましょう!