ディズニー総チェック 評論

【映画記事】「リロ・アンド・スティッチ」ー宝石のようなディズニー、もうどこにも行くなー【ディズニー総チェック】

 

さて、今日は「ディズニー長編アニメーション」を公開順に評論する「ディズニー総チェック」

 

今回は人気タイトル「リロ・アンド・スティッチ」を語っていきたいと思います!

 

編集長
実写化もされるみたいですね!

 

今作のポイント

  • 2000年代において、間違いなくナンバーワン作品である。
  • 一番成長したのはだれなのか?

「リロ・アンド・スティッチ」について

基本データ

 

基本データ

  • 公開 2002年
  • 監督 クリス・サンダース/ディーン・デュボア
  • 脚本 クリス・サンダース/ディーン・デュボア
  • 声の出演 デイヴィ・チェイス/クリス・サンダース ほか

あらすじ

遠く離れた惑星で遺伝子実験によって作られたスティッチが地球に不時着。

スティッチはハワイで大混乱を巻き起こすが、このやんちゃなエイリアンは、リロという名の独りぼっちの少女に“子犬”として飼われることになる。

リロとスティッチは一緒に誠実さや友情、そしてハワイ語で家族を意味する“オハナ”について学んでいく。

ディズニープラスより引用

間違いなく「2000年代」最良の作品

「長編アニメーション」由来の人気キャラ!

 

ここまで「ファンタジア2000」から「アトランティス 失われた帝国」までの「2000年代」ディズニー作品は、どれも「今一つ」「微妙」という評価をされていた。

それが故に「2000年代」は「低迷期」と、現代から振り返れば言われている時期なのだ。
個人的に「総チェック」という形で作品を見返している立場からしてみても、その評価は「正しい」と言わざるを得ない。

 

 

その中でも「リロ・アンド・スティッチ」は暗黒の中でも、一際強く輝く作品だ。

まず大前提として、そしてこの評論の結論めいたものになるが、「映画の出来が良い」というのは間違いない。
だが、もう一つ忘れてはならないことがある。
それが「スティッチ」という、ディズニー史上でも屈指の人気キャラクターを生み出したことだ。

 

この「ねんどろいど」は個人的にほしいです(笑)

 

そもそも「ディズニー」の人気キャラ、「ミッキー」「ドナルド」「グーフィー」「プルート」たちは、「ディズニーフレンド」系列のキャラクターで、「長編アニメーション」由来のキャラクターではない。

 

「長編アニメーション」にも魅力的なキャラクターは多数登場するが、どれも「ディズニーフレンズ」と比べると、キャラクターとしてのインパクトに欠ける。
その理由は、恐らく「長編アニメーション」由来のキャラクターは、ほぼ「原作」があり、「オリジナル」ではないことが理由なのかも知れない。

 

ちなみに「長編ディズニー」由来の人気キャラと言えば「くまのプーさん」登場キャラたちがいる。
これは「原作」があって、なおかつ「ディズニー版」も人気という意味では異例なキャラクターたちだとも言える。

 

そういう意味では「スティッチ」は、ディズニーの「オリジナルキャラ」であり、今なお人気を維持している。
ある意味とんでもない発明だと言えるのだ。

個人的には「プーさん」以来の快挙といえる存在だと言える。
そして「プー」とちがい原作がない、オリジナルキャラであると考えれば、やはり快挙といえる存在なのだ。

 

ちなみに人気キャラクターになったということで、「沖縄」舞台の「スティッチ!」という作品が日本オリジナルで放映されたり派生作品も多く生まれたのも特徴だと言える。

 

 

このスティッチのキャラ造形は、元々彼が「人工生物」「エイリアン」ということもあり、「可愛く」も見えるが、「気持ち悪く」も見える。
非常にバランスの良いデザインになっている。

そして作中では「心を通わせてない時」「心、通った時」で、実は見え方も変わるという、このデザインがうまい演出にもつながる。
ある意味で今作の成功を決定付けたポイントは、この「デザイン」だと言っても過言ではない。

 

 

ポイント

✅「長編アニメーション」「ディズニーオリジナル」という意味では、類をみない「人気キャラ」

✅絶妙なバランスのデザインが、成功を決定付けたとも言える。

切実な願い「友達」がほしい

 

ただし、この「リロ・アンド・スティッチ」は勿論、「映画」としても素晴らしい作品であるということ、これは間違いないし、忘れてはいけない。

この作品は、リロとステッチという、ある意味で「同じ悩み」を持つ存在が信頼を深め、「家族=オハナ」を形成する物語になっている。

 

そもそも前述したように「スティッチ」は「ジャンバ」という自称「悪の科学者」によって作られた「試作品626号」平たく言うと「人口生物」だ。
元々「破壊衝動」のみをインプットされ生み出され、他者と心を通わすなど不可能なスティッチ。
そんな彼が、「銀河連邦」から逃走し、地球に逃れてきたとこから物語が始まる。

 

そんなスティッチと交流を深めるリロだが、実は彼女も他者と心を通わすことが上手くできてない。
ダンスの練習に遅刻し、常に他の女の子たちと一悶着起こす。

特に友達をぶったり、噛み付いたりする姿は宇宙での「スティッチ」と同じなのだ。
さらに「噛みつかれた側」のリアクションが全く同じだというのも、見逃せない点である。

 

 

このように、この作品は手際よくリロとスティッチが出会うことを示唆して描くのだ。
その辺りのテンポ感などは、非常に素晴らしい。

 

そしてリロが姉である「ナニ」と2人で暮らしていること、そして両親が亡くなったことなどが示唆される。

 


編集長
ちなみに、先程リロに叩かれた子達は、恐らく「両親」を失いふさぎ込み、
そして他者にやり場のない不満をぶつける、リロへの対応の仕方がわからなくなっていた、
だから距離をとっていたのだ

 

その夜にリロが流れ星(スティッチの搭乗する宇宙船)に願い事を叶えるシーンが非常に印象に残る。

 

「友達がほしい」

その切実さ、しかも「また私です」というセリフが、彼女がどれほど「友達」を求めているか?
リロがどれほど「一人ぼっちだったのか」が強く描かれている。

 

編集長
この切実な願いのシーンは「遊戯王」(漫画版)第一話の武藤遊戯の願いを彷彿とさせられた

 

そんな彼女が求めた「友達」がスティッチというわけだ。

 

深堀りポイント

この作品が巧みなのは、先程スティッチのデザインが、「かわいい」「気持ち悪い」を両立したデザインという点だが、特にリロと出会うまでは、やはり「気持ち悪い」
つまり「異質生物」である感が、強く際立つ演出になっている点だ。

それが、物語の進行とともにスティッチが、可愛く見えてくる。
そして映画の「終わる頃」にはスティッチにメロメロになる。

そういう意味では「キャラクター」への感情移入のさせかたも非常に巧みなのだ。

 

 

ポイント

✅リロの切実な願い「友だちが欲しい」、その願いに呼応するように現れる「スティッチ」

✅実は、両名が「他人に暴力」を振るってしまうという点では、共通の問題を抱えていることが示唆される。

どうしても、上手く行かない苦悩

 

ということで、リロとスティッチの出会うまでをここまで見てきたが、実はこの作品には、二つの「軸」がある。

 

一つが、「リロ」と「スティッチ」の友情を育む過程。
もう一つが、リロを「保護施設」に送られないように奮闘する、姉「ナニ」の努力という過程だ。

 

 

そして、今作でメインで描かれるのは、「リロ・アンド・スティッチ」というタイトルからは前者を想像してしまいそうになるが、実は違う。
実際に物語の比重は圧倒的に後者の方が大きいのだ。

この作品の構図としては、リロとナニの「心の交流」を通じて、スティッチが「家族とは?」という意味を知り、成長する。
そういう構図になっている。

 

そしてこの構図の面白さとして、「ナニ」が「リロ」と上手く関係を築けない、自分の不甲斐なさに押しつぶされそうになる、そんな苦悩。
それと同時に「子犬」として、「ペット」として購入した「スティッチ」と、上手く関係を築けない「リロ」
実は同じ共通の悩みを抱える展開になっている点だ。

 

姉と暮らしたい。
そう思いながらも、トラブルを起こしてしまうリロ。

リロと暮らす中で、少しずつ「心」を手に入れるスティッチ、だけど元来の「破壊衝動」でトラブルを起こしてしまう。

それが対比として描かれ、ナニの悩みと、リロの悩みは作中でどんどんリンクしていくのだ。

 

つまりスティッチとの関係がうまくいないこと、そこにリロは不満を持つ。
そのことで、リロは姉である、ナニもまた、自分と上手く関係を築けないという、悩みを抱えている事に気づいていくのだ。

 

 

ちなみにリロが、スティッチを立派な生き物にするという展開で、「エルヴィス・プレスリー」が、実際の写真で登場する。
明らかに「アコギ」なのに「エレキギター」の音色をスティッチが奏でるシーンは、さすが「人口生物」
プレスリーコスプレのスティッチが可愛く見えてくる。

このように、随所で「スティッチかわいい」感情を呼び起こさせる演出も実は細やかにされている。

 

 

だけど、それでもリロとスティッチの関係は良くならない。
それと同時にナニとリロの関係も上手く行かない。

 

それは同時に、「保護監査官」の決断にも大きな影響を与える。
リロのためにも、ナニのためにも、2人は離れなければならない。

そう思わせるには十分な判断材料だといえる。

そして、それを加速させたのは、他ならぬスティッチだ。

 

 

そしていよいよ「リロは引き取られる」ことになる。
その前夜姉妹水入らずの時間。

そこでスティッチは「家族=オハナ」の意味を知るのだ。

「いつでも一緒」「何があってもそばにいる」という意味を。

 

 

ポイント

✅「人のふり見て我がふりなおせ」というが、まさに「リロ」は「スティッチ」を見て、自分の行動を反省しようとする。

✅こうした関係性のリンク構造がうまい!

一番成長したのは誰だ?

 

こうしてスティッチは「自分がいるとリロ」を不幸にさせる、そのことに気づいて、「みにくいアヒルの子」の絵本を持ち、家を出ていく。

この時点で、スティッチには「破壊」ではなく「守りたい」という感情が芽生えているのだ。
そして、スティッチは「リロ」と「ナニ」の関係を見て、自分にも「オハナ」がいるのでは?
そう考えるようになる。

 

だが、悲しいかな、彼は「人工生物」なのだ。
彼の前に現れるのは、自分を産んだ「ジャンバ」だ。

自分には「オハナ」はいない、そう告げられるスティッチ。
なんとかジャンバの魔の手から逃げることが出来るが、今度は「ガントゥ」にリロ共々捕まえられてしまうのだ。

 

そしてなんと、リロだけがさらわれてしまう。
そこでナニと協力してリロ救出へと向かう。

 

ここで、鍵になるのは、例えどんな危機的状況になっても、スティッチはリロを助けに行くという行為そのものだ。

それは即ち、彼自信が「リロ」を「オハナ」だと認識したことにほかならない。
そして「破壊衝動」のみを持っていたスティッチが、「守りたい」という真逆の思いを持っている。

ついにスティッチは「心」を手に入れたのだ。

 

 

そして、スティッチとともに、リロを救おうとしたナニも忘れてはいけない。
彼女は、全ての元凶ともいえる「疫病神」であるスティッチ。
事実、彼女は終盤まで、彼を好意的に見ていなかったが、それでもリロを救うために協力する。

 

そしてナニは、自分と同じくスティッチも、リロを大切に思っていることを、その行動で知るのだ。

 

 

ちなみに、今作は最終的に、全ての問題が、めちゃくちゃキレイに片付く。
正直、キレイすぎる衒いがあるが、ハッピーエンドに着地する。

 

 

スティッチは「オハナ」を手に入れることが出来たし、その尊さも知った。
リロはナニに愛されていることに気づき、彼女と暮らすことを望む。

 

 

そしてナニは、「血縁」「姉妹」だからではなく、それ以上に心から一緒に「リロ」といたい。
その思いが大切なのだと知る。

上手く行かなくてもいい、不器用でもいい。
ただ、相手を思いさせすればいい。

 

そしてそれは、他ならぬスティッチの行動を、見たからこ理解できたのだ。
不器用でも、相手のために行動する、そうすれば「オハナ」のような絆を育むことが出来るということを。

 

 

今作で実はスティッチ以上に成長したのは、「ナニ」だ。
リロとスティッチの行動を見た、そのことで成長した。

だからこそ今作は「リロ・アンド・スティッチ」というタイトルなのかも知れない。
リロとスティッチを見つめる存在である「ナニ」の存在が、このタイトルの向こうに透けて見える。

そんな気がしてならない。

 

最後にはボーイフレンドのデビットも含めて、彼女たちは「オハナ」になっていくのか?
そんな幸せな未来を想像させながら、今作は「明るく」締めくくらる。

 

 

ポイント

✅今作は「ナニ」に注目してみると、味わい深い。

✅「リロ・アンド・スティッチ」を見て最も成長したのは、誰か?

 

今作のサントラを手掛けるのは「アラン・シルヴェストリ」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「アベンジャーズ」などでも有名!!

今作を振り返って

ざっくり一言解説!!

大ヒットは当然の作品! 

悲しいことに、この輝きは、もうすぐに潰える・・・
まさに「暗黒の中の光」だった。

まとめ

 

勝手に今作を「キャラ映画」
つまり「スティッチ」人気だけの作品だとたかをくくってましたが、いやいや・・・。

ナメてちゃダメですね。
非常に素晴らしい作品だったと言わざるを得ない。

 

少なくとも「2000年代ディズニー」最良の一本と言っても構わないだろう。

悲しいかな次回作は非常に「トホホ」な作品なので、まだまだ「暗黒期」は終わらないのだ。

 

個人的には今作を見ていて「ナニ」の存在が一番印象に残った。
恐らく彼女も両親が亡くなって辛いのに、なんとか不器用なりに「リロ」の「母」になろうと努力する。

でもそれが結局、リロに気を使わせることになり、ストレスになったのかも知れない。

 

本当は、ただ一緒にいる。
それだけで良かったのだ。

 

それを気づかせてくれたのは、「スティッチ」だ。
最初から最後まで、疫病神だった存在。

そんな存在の不器用ながらの行動を見たからこそナニは理解したのだ。

 

必要なのは「そばにいること」「いっしょにいること」と。

 

ということで、「リロ・アンド・スティッチ」は「2000年代ディズニー」作品では頭一つ抜けた作品だと言っても過言ではない。
「人気作」であるのも納得の作品でした。

ただ、悲しいかな、次回作以降「ディズニー」はさらなる混沌に陥っていく。

そんな様子をこれからも追いかけていきたいと思う。

 

 

まとめ

  • 今作は「ナニ」の成長に注目!
  • キャラ映画ではない、しっかりとした「骨太」作品!!

次回作は「トレジャー・プラネット」・・・
まぁ、改め向き合いますよ(笑)

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