
今日も「ディズニー総チェック」!!
という事で取り上げる作品は、コチラ!
「ファン・アンド・ファンシー・フリー」です。
この作品のポイント
- ミッキー、ドナルド、グーフィー、ジミニーの共演。(この言い方は少し語弊がある)
- この時期のオムニバスは総じて「実写」と「アニメ」の融合にトライし続けている。
- 悪くはないのだが・・・。」

目次
「ファン・アンド・ファンシー・フリー」について
基本データ
基本データ
- 公開 1947年
- 監督 ウィリアム・モーガン(本編)/ハミルトン・ラスク(アニメ)/ジャック・キニー(アニメ)/ビル・ロバーツ(アニメ)
- 脚本 ホーマー・ブライトマン/ハリー・リーヴズ/テッド・シアーズ/ランス・ノリー
エルドン・デディーニ/トム・オレブ - 製作 ウォルト・ディズニー
- 出演者 エドガー・バーゲン/ダイナ・ショア
作品紹介
楽しさだけではなく、ディズニーの歴史が詰まった、永遠の輝きを放つ作品。
ウォルト・ディズニーがミッキーマウスの声を担当した最後の作品であり、ディズニーの最も有名な4人のキャラクター、ミッキー、ドナルド、グーフィー、ジミニー・クリケットが共演した唯一の作品である。
そこに登場するのは、魅力的な登場人物たち、楽しい音楽に冒険…。
ディズニー伝統の、キャラクターが物語を語る形式で綴られ、2つの話のホストを務めるのはジミニー・クリケット。
1つ目の「ボンゴ」は、小さなサーカスのクマが、いじめっ子よりも勇気があって頭がいいと証明する物語。
2つ目はミッキー、ドナルド、グーフィーの「ミッキーと豆の木」。
ディズニープラスより引用
「ジャックと豆の木」のディズニー版で、ミッキーたちが巨人のウィリーと対決する…。
「ボンゴ」について

ディズニー人気キャラの共演
この作品は、前述の紹介でも書いたが、ミッキーやドナルド、グーフィー。
そしてジミニーが共演した、最初で最後の作品だ。
さらにウォルト・ディズニーが今作をもってミッキーの声を降りた作品でもある。
そういう意味では、一応「歴史的」な出来事があった作品である。
それは間違いないと言える。
ちなみに今作品は「2つ」の短編から構成されていて、「ボンゴ」はこの作品オリジナルのクマのキャラクター、ボンゴが登場。
「ミッキーと豆の木」は「ジャックと豆の木」をミッキー、ドナルド、グーフィーが演じるという作品になっている。
ちなみに個人的には「ボンゴ」は、ここまでのディズニー作品と比較すると興味深いシーンも多かったので、まずは「ボンゴ」についてから語っていきたいと思う。
「ボンゴ」は「ダンボ」のオチをある種の相対化している
まずはジミニーがストーリーテラーとして届ける「ボンゴ」
この作品はサーカスの人気者のクマ「ボンゴ」がサーカスから脱走し、自然界で生きるという物語になっている。
ある意味でこれは「ダンボ」の結末と全く逆になった作劇だと言える。
「ダンボ」では、最後にサーカスのスターの座を勝ち取ったダンボが、そのままアメリカ全土で人気者となり、喝采を浴びる終わり方をした。
今まで虐げられていた場所で輝きを放つ。
この終わり方も、この作品では確かに正しい終わり方だと言える。
しかし同時に、とはいえ「見せ物」である。
このことに、微妙に、しかし小さくはない引っ掛かりを覚えたことも事実だ。
「ボンゴ」はこの「引っ掛かり」から着想を得た作品なのではないだろうか?
そういう視点から見ると、非常に興味深い作品だと言える。
自然界は「バンビ風」
ちなみにこの作品、ボンゴが脱走後は、割と「バンビ風」な作劇が展開される。
人間界で飼われていたボンゴ。
彼は確かに自由はなかったが、それでも必要最低限のものは管理されていた。
だが自然界にはそれがない。
そのことに対して彼は驚くのだ。
そして初めての夜。
雷雨のシーンなど、轟音に慄くボンゴ。
「バンビ」でも「世界を知る」という展開でもこのようなシーンはあった。
もちろん重厚感でいえば「バンビ」の方が全然あるし、「ボンゴ」はかなり軽い。
とはいえ、やはり「雷雨」というものは自然界で体験する「初めての」恐ろしい現象であるということは、両作品共通して描かれる。
そして後半は、恋の物語となる。
ボンゴが恋するルルベル。
その恋路を邪魔するランプジョー。
ここで展開される悲しい勘違いなどは、作劇がもっと重ければ、ここはかなり悲劇的になったのだろうが、かなり軽く描かれる。

ちなみに本当に「野生のくま」は好きな相手に「ビンタ」するんでしょうか?
「ダーウィンが来た」とかで特集してくれないかなぁ笑
ちなみに最後「ランプジョー」に「ボンゴ」は勝利するわけだが、このロジックが「サーカスにいた」だからこそ勝てる。
という、「なぜボンゴが勝てたのか?」
そして「ボンゴでなければ勝てなかった」
つまり、だからこそ彼が主人公である。
ということを証明する、非常にいい締め括りになっているのも、注目!!
「ミッキーと豆の木」について

これは、これで「いい」
この作品はジミニーは引き続き登場するが、かなり特殊な作劇になっている。
それは、現実の風景にいきなり世界観が変化して、ある家でおじいちゃんが孫娘にするお話。
その登場人物が「ミッキー」たちになっている。
という体裁に変化するのだ。
しかしアニメのジミニーはそこに存在している。
要は、これまでのオムニバス同様、今作でも「現実」と「アニメ」の融合を試みているのだ。
ちなみにこのシーンで出演しているのは「南部の唄」で主人公を演じた「ルワナ・パットン」だ。
この「南部の唄」も「アニメ」と「実写」の融合をしている作品で、今では鑑賞することができない。
(黒人奴隷制の美化に繋がるというのが理由)
ちなみに「スプラッシュ・マウンテン」の元ネタだが、同アトラクションのモチーフが今後変更されるのは、記憶に新しい話ではないだろうか?
変更後は「プリンセスと魔法のキス」になるとのこと。
ちなみに話は、「幸せの谷」を豊かにしていた「歌うハープ」を巨人が奪い、この地は荒廃。
その後、ミッキーたちが手に入れた巨大な豆の木を登って、巨人からハープを取り戻し、「幸せの谷」を元に戻す。
という物語になっている。
ちなみに「ボンゴ」と共通する点として、欲張りで横暴な存在が「敵」だという点が挙げられ。
作品を通じてのメッセージは「意地悪をしちゃいけない」という一応の教訓めいたものがある。
ただ、まぁこれ「ミッキー」「ドナルド」「グーフィー」が好きなら、それだけで満足できるんですけど、正直「それ以上」もない。

ちなみにこの作品。
オチが不思議だ。
おじいちゃんが孫娘に話を語り終えた後、急に巨人がやってきて、いえの中を覗き、そしてハリウッドの町を歩く後ろ姿で幕を下ろす。
なんでああいうオチなんですかね!?笑
そういうところに何かしらの意味を見出そうと思うのですが・・・。
ちょっと見えなかったです・・・。(悔しい)
今作を振り返って
ざっくり一言解説!!
いいところも、ある!!
悪いところばかりじゃないです!!
まとめ
今日の評論、というか「ラテン・アメリカの旅」からそうなんですけど。
ここしばらく「総チェック」に対する歯切れがすごく悪い!!
この企画をやる前。これらの作品って、探しても、あんまり語られることがなくて、「どうしてか?」と思ったんですけど、その理由がわかってきました!
それは、「語るのが難しい」
いってしまうと、別に「見るほどのものじゃない」感じっていうのが、ひしひしと伝わってくるんですよ!!
もちろん「いいところ」もある。
それは認めますが、やはり「在庫セットセール」の雰囲気が強い・・・。
確かに「映像ソフト」の日本販売がないのもわかります。
でも、だからこそ、後二作品のオムニバスはチェックせなばならない。
と決意新たにした部分もあります!
まとめ
- 「ボンゴ」と「ダンボ」は比較するといい!
- 人気キャラ共演は直接していないので、ちょっと語弊がある。
- オチが謎すぎる!
ということで、「オムニバス」は後ちょっとで終わるので、ぜひ一緒に乗り越えましょう笑